HTML 5 の defer 属性の定義では IE の実装に合わせる形で動作が再定義されています。
「控えめな JavaScript」の考え方に従うなら、noscript 要素を使わなくてもスクリプト無効時の閲覧に支障が出ない文書の作成を目指すべきだと思います。
document.domain
通常、ドメインの異なるページ間ではオブジェクトにアクセスできませんが、アクセスする側される側とも document の domain プロパティに同じ値を設定することで、アクセスできるようになるそうです。ただし、domain プロパティに設定できるのは範囲を広げる方向のみ、つまり、www.example.org のページでは example.org には設定できるけど example.com はだめとのこと。使ったことのないプロパティなので動作もよく知りませんでした。
異なるリソース間でのアクセスで重要となってくる same origin policy、サイ本や竹迫さんのプレゼンでは「同一出身ポリシー」と訳してましたが、私は「同一生成元ポリシー」という訳語を使っています。ちなみにこれを書いている時点でググってみると、「同一出身ポリシー」203 件に対して「同一生成元ポリシー」359 件でした。
KIMOTO さんによる LT。JavaScript で、外部からは見えないが、同じクラス (便宜的にこの語を使います) のインスタンス間では見えるプライベート変数を実現する試みです。コードは次のような感じでした (一部改変)。
var namespace = {};
(function () {
var seed = 0;
var p = {};
namespace.Foo = function (x) {
var id = "" + seed++;
this.toString = function () { return id; };
p[this] = {};
p[this].x = x;
};
namespace.Foo.prototype.getX = function () {
return p[this].x;
};
namespace.Foo.prototype.setX = function (x) {
p[this].x = x;
};
namespace.Foo.prototype.add = function (that) {
p[this].x += p[that].x;
};
})();
これなら p は外部から見えないので、アクセサを通さないとメンバ変数にアクセスできないというわけですね。コンストラクタ内でメソッドごとにクロージャを作る方法と違って、メソッドが増えてもインスタンス生成の時間はそれほど変わらないし、ほかのインスタンスのメンバ変数にも直接アクセスできます。この仕組みを考えた後に調べて、これが Perl では inside-out object と呼ばれる手法だと知ったとのことですが、それを自分で考え付いてJavaScriptで実現したというのはすごいです。
Perl の inside-out object との違いとして、JavaScript にはデストラクタがないため、メンバ変数の値がずっと残りっぱなしになってしまうという問題があります。対策としては、自分で後片付け用のメソッドを呼んでやるか、利用者のマシンの性能を信じるかといったところでしょうか。toString メソッドを本来の目的で使えないという声もありましたが、そこは代わりに valueOf メソッドを使って p[+this].x
とするのもありかもしれません。
いつまでそのネタを引っ張るんだといわれそうですが、私も LT の時間をもらってゆの in ECMAScript の解説をしてきました。資料は次に挙げますが、これはソースコードそのものの解説というより、ソースを読むに当たっての基礎知識です。
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